横浜ないせい鍼灸院の紹介

横浜ないせい鍼灸院は、2023年4月25日に横浜市青葉区に開設致しました。完全予約制の鍼灸専門の鍼灸院です。

当院はとても狭く、小さな鍼灸院です。
鍼灸院開設には「構造設備基準」という法律施行規制の基準がありますが、当院の待合室は3.5㎡(基準は3.3㎡以上)、施術室は6.8㎡(基準は6.6㎡以上)なので、ギリギリの広さで認可されました。もしかしたら、日本一狭く、小さな鍼灸院かもしれません。
狭いため、ご不便をお掛け致しますが、ご了承ください。

横浜ないせい鍼灸院の名前の由来ですが、「ないせい」とは、漢字では「内省」と書きます。
この「内省」とは、これまでの自身の行いを思い返すこと、自分の内面を見つめ直すこと、思考や気持ちを整理すること、過去の自分から学ぶこと、これらにより、今後に生かすための振り返りを行うことです。
患者様ご自身が現状をしっかり受け止め、過去から学び、日常生活の習慣(食生活、睡眠、運動、行動、考え方など)を良い方向に修正し、心身ともに健康になるための支援を担う鍼灸院として、横浜ないせい鍼灸院と名付けました。

小児はり、不妊治療鍼灸、腰痛軽減に対する鍼灸への想い

当院は、小児から高齢者の患者様を対象に鍼灸(はり・きゅう)、小児はり(生後1ヶ月位から12歳位)を行います。

鍼灸治療はお子様にもやさしい医療です。小児はりは、関西では広く知られております。小児はりによるお子様の体質改善を行います。小児はりの適応症として、小児の疳の虫、夜泣き、就寝中のむずかり、小児の自律神経障害、精神興奮状態、ひきつけ、便秘、下痢(単純性)、消化不良、アレルギー疾患(アトピー、小児喘息)などがあります。
私は小児喘息、アトピー性皮膚炎でした。小児科で喘息の体質改善の注射(アレルゲン免疫療法)、漢方薬の処方などを5歳から高校2年生(17歳)まで受けていました。夜間の喘息発作時は、呼吸ができず苦しくて仰臥位では眠れず、起座位で眠れない夜を過ごしました。自身が小児喘息を経験した経緯から、少しでもお子様の体調不良の改善、不安の軽減にお役に立てればと思います。

また、当院は不妊治療(女性不妊・男性不妊)の患者様をサポートする鍼灸治療にも力を入れております。不妊治療患者様を対象とした不妊鍼灸(女性不妊・男性不妊)、不妊心理カウンセリングを行なっております。
私は以前、不妊治療の医療現場で胚培養士(卵子と精子とを培養液、顕微鏡などを用いて体外受精させる生殖医療技術者)、体外受精コーディネーター、不妊カウンセリングに従事しておりました。
妊娠、出産の朗報を医療チームである医師、看護師から、また直接、患者様から伺い知る瞬間は、とても幸福な気持ちで一杯となりました。
しかし、妊娠に至らない患者様、妊娠するも流産してしまう患者様、不妊治療に精一杯挑戦しても、残念な結果となり、妊娠、出産を断念する患者様も多くみてきました。
妊娠、出産には、どうしても年齢的な期限があります。どんなにお子様を望んでも、その望みが叶わない現実はとても辛いことです。
そのような場合は、グリーフワーク、カウンセリングによる心のケアが不可欠です。
不妊治療で医療機関を受診されている患者様の中には、なかなか望ましい結果に至らず、焦り、不安、悲しみ、葛藤を抱える場合も多くあります。
悔いが残らない不妊治療をサポートできるよう、患者様に寄り添います。こうした不妊治療現場での経験を活かし、「不妊心理カウンセリング」を行います。

鍼灸治療の代表的な疾患の中に、腰痛が挙げられます。私は長年、腰痛にも苦しみました。腰痛のため趣味の合気道が出来ない時期がありました。そして腰椎椎間板ヘルニアの手術を経験しました。腰痛への痛みの軽減、腰痛の予防、腰痛の再発防止など、自身の経験から腰痛をはじめとした運動器疾患の鍼灸治療にも積極的に取り組んでおります。

これまでの自身の健康上の経緯、学んできた知識(鍼灸学、心理学、生物学・農学)、生殖医療現場などの経験を活かし、ストレス緩和に努め、鍼灸治療を通じて患者様の心身の健康を支援して参ります。

どうぞ、宜しくお願い致します。

鍼灸は本当に効果があるのか〜鍼灸治療に関する論文の紹介〜

近年、鍼灸に関する研究は、大学、医療機関をはじめ、科学的根拠がある鍼灸治療の報告があります。当院は不妊治療患者様へのサポートにも力を注いでおります。下記に、不妊治療、婦人科領域に関する鍼灸治療の研究論文(産婦人科医師であり日本東洋医学会漢方専門医である磯部哲也氏の論文)を紹介します。

月経困難症に対する鍼灸

磯部哲也:月経困難症に対する鍼治療の有効性. 東方医学, 第29巻第1号

内容:合谷、天枢、大巨、足三里、三陰交、陰陵泉、太渓、内関、中都、行間、百会、中脘、気海、関元に鍼灸治療を行った。その結果、月経困難症に対する鍼治療の有効率は78.13%(25/32)であった。随伴症状(頭痛、腰痛、下痢、嘔吐)の改善率は100%(5/5)であった。

月経前症候群(PMS)に対する鍼灸

磯部哲也:月経前症候群の精神症状に対する鍼治療効果の比較試験. 日本東洋医学, 第67巻第3号

内容:神門、内関、大陵、陽陵泉、中都、太衝、期門、豊隆、足三里、三陰交、陰陵泉、太渓、復溜、百会、神庭、膻中、鳩尾、巨闕、上脘、中脘、水分、気海に鍼灸治療を行った。その結果、月経前症候群(PMS)患者22名全てに、心理的ストレス反応尺度(SR-18)の点数が改善し、「イライラ」を含む全ての精神症状が改善した。

多のう胞性卵巣症候群:月経不順、不正性器出血の原因疾患に対する鍼灸

磯部哲也:多のう胞性卵巣症候群に対する鍼灸治療. 日本東洋医学, 第64巻第6号

内容:合谷、天枢、大巨、足三里、三陰交、陰陵泉、地機、血海、太渓、内関、中都、行間、百会、神庭、中脘、気海に鍼灸治療を行った。その結果、PCOS患者{卵巣のneck-lace signを認め、血中FSH値正常(5~10 mIU/ml)かつLH高値(LH>7 mIU/mlかつLH/FSH>1)}21名に対し、平均施術回数7.9回、成熟卵胞を認めるのに要した平均日数は20.6日であり、有効症例(成熟卵胞を認めた症例または排卵した症例)の割合は57.1%で改善した。

このような婦人科領域における鍼灸治療の論文があります。ご自身の症状に合わせ、病院、クリニックで西洋医学に基づいた医師による適切な診察を受け、その上で、必要に応じて東洋医学(鍼灸・漢方)などの医療を選択されることをおすすめ致します。

WHO(世界保健機関)が定めた鍼灸治療適応症

1979年6月に、北京で行われた「鍼灸に関するWHO地域間セミナー」において、鍼灸治療が有効とされる疾患群の暫定リストが作成されました。

また、1997年、米国・国立衛生研究所、国立保健研究所(NIH)は、「鍼治療に関する合意のためのパネル会議(Consensus Panel)」を開催しました。この会議では、「鍼の有効性や安全性」、「研究方法」などが合意されました。

そして、現在では以下のように、WHO(世界保健機関)により鍼灸治療適応疾患が認められています。

神経系疾患
神経痛、神経麻痺、痙攣、脳卒中後遺症、自律神経失調症、頭痛、めまい、不眠、神経症、ノイローゼ、ヒステリー
運動器系疾患
関節炎、リウマチ、頚肩腕症候群、頚椎捻挫後遺症、五十肩、腱鞘炎、腰痛、外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
循環器系疾患
心臓神経症、動脈硬化症、高血圧、低血圧、動機、息切れ
呼吸器系疾患
気管支炎、喘息、かぜおよび予防
消化器系疾患
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)、胆嚢炎、肝機能障害、肝炎、胃十二指腸潰瘍、痔疾
代謝内分泌系疾患
バセドウ病、糖尿病、痛風、脚気、貧血
生殖・泌尿器系疾患
膀胱炎、尿道炎、性機能障害、尿閉、腎炎、前立腺肥大、陰萎
婦人科系疾患
更年期障害、乳腺炎、白帯下、生理痛、月経不順、冷え性、不妊
耳鼻咽喉科系疾患
中耳炎、耳鳴り、難聴、メニエール病、鼻出血、鼻炎、蓄膿、咽頭炎、扁桃炎
眼科系疾患
眼精疲労、仮性近視、結膜炎、疲れ目、霞み目、ものもらい
小児科疾患
小児神経症(夜泣き、疳の虫、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)、小児喘息、アレルギー性湿疹、耳下腺炎、夜尿症、虚弱体質の改善